表現について

樺太という名前について

当コンテンツでは、日本統治下の北緯50度以南のカラフト島(サハリン島)を示す場合、「樺太」という言葉を使います。また、島全体を指して「カラフト島」と呼ぶ場合もあります。
現在の日本では、マスメディアを初め、カラフト島を「サハリン」と呼ぶべきである、という意見が多く見られます。樺太という言葉を使うことが、一定の政治的、思想的意味を含むという捉え方もあるようです。
しかし、当コンテンツでは、カラフト島が「樺太」と呼ばれていた日本統治下についての内容を扱うことから、ロシア或いはソ連支配下で使われる「サハリン」の名称を用いるのは時代錯誤であると判断しました。
また、日本語の文脈の中で樺太という言葉を使うこと自体に、本来、政治的、思想的な意図はないものと考えております。

その他の地域等の名称について

当コンテンツでは、いくつかの国や地域、文化などについて、以下のように呼ぶことにします。

一般的な呼び方について

ある国家の国民であることを示す場合、例えば「日本人」のように、国名に「人」を付けて呼びます。
ある一定の習慣や言語などを共有することを「文化」と呼び、これを全体的に表す場合、「アイヌ」「ロシア」のように、その文化の名前のみで呼びます。特に必要があるときは「○○文化」とします。また、特定の文化に属している人々を表す場合、「ウィルタ人」のように、「○○人」と呼びます。
なお、上記のような場合、マスメディアなどでは「○○民族」という呼び方も見受けられます。ですが「民族」という言葉は、特に海外では思想的な意味を含む場合があり、誤解を防ぐため当サイトでは使用しないことにしました。ご了承下さい。

樺太のいわゆる少数民族について

樺太には、独自の文化を持った人々が住んでいます。いわゆる少数民族と呼ばれる人々です。かつては「土人」と呼ばれることもありました。
「土人」とは本来「その土地の人」という意味であり、必ずしも差別的な意味ではないと考えられますが、現在では差別的な言葉であるという見方が広がっています。
当コンテンツでは「土人」という表現を含む言葉を使う場合がありますが、これは歴史上の用語として紹介するものであり、いわゆる少数民族の人々に対する差別を意図したものではありません。
また、現在では特定に文化について、その人々自身の言葉で呼ぶのが一般的となっています。このコンテンツでもそれに従い、「オロッコ」は「ウィルタ」、「ギリヤーク」は「ニヴン」、「キーリン」は「エヴェンキ」、「サンダー」は「ウリチ」、「ヤクート」は「サハ」とそれぞれ呼ぶことにします。
なお「ニヴン」は、一般的には「ニブフ」と呼ばれますが、樺太のニヴフ語では自らを「ニヴン」と呼ぶことから、敢えてこのようにしました。

ロシアについて

帝政期、及び現体制移行後については「ロシア」と呼びます。内容的に、共産革命前であることを示す必要がある場合は「帝政ロシア」と呼ぶことにします。
また、ソヴィエト社会主義共和国連邦の成立から解体までの時期については「ソ連」と呼びます。
それぞれ「露」「ソ」と省略して呼ぶ場合がありますが、これは文中でのわかりやすさを意図したものであり、差別的なものではありません。

中国 China について

「中国」とは、現在の中華人民共和国、または辛亥革命以降の中華民国を指すものとします。
歴史上の出来事について述べる場合は、現在、中国の支配領域に含まれ、シノロジーと呼ばれる学問分野でチャイナ・プロパー China properと呼ばれる地域、及びその文化を「支那」と呼ぶ場合があります。
これは歴史上の一定の地域と、「中華人民共和国」或いは「中華民国」の支配領域との混乱を防ぐために使うものであり、差別的な意図によるものではありません。

朝鮮半島 Korea について

朝鮮半島に存在する民族、国家については、地理的、文化的なものを示す場合「朝鮮」、国家を示す場合「韓国」と呼びます。
これは歴史的な内容を記述するための便宜的な名称であり、朝鮮半島に存在するいかなる政治勢力に対してもこれを擁護、または否定する意図のものではありません。
また、差別的な意図は一切ありません。

イギリス U.K. について

グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国について、「イギリス」「英国」、または省略して「英」と呼びます。
これは日本で一般的に使われている名前であり、文中でのわかりやすさを意図したものです。
差別的な意図は一切ありません。

数字の表記について

基本的に、数量、時間を表す場合アラビア数詞、それ以外は漢数字を使っています。
ただし、引用文ではこの限りではありません。このため、まれに表記が一貫しない場合がありますがご了承下さい。